現時点でオールスター出場に「当確」マークがつく日本人投手は? 今年は1995年の野茂英雄氏以来となる日本人先発の可能性も

あらゆる地域の記者が「タナカ」の先発を予想

 メジャー移籍1年目ながら、田中が「当確」を点灯させた理由は、言うまでもなく、前評判に劣らないパフォーマンスの高さだ。勝利数はバーリー(ブルージェイズ)の10勝に次ぐ9勝(1敗)を挙げ、防御率2・02はア・リーグでトップ。好不調の波が少ない安定感のある登板を繰り返し、辛口で知られるニューヨークのメディアに「True Ace(真のエース)」とまで言わしめた。

 地元紙ニューヨーク・ポストの名物コラムニスト、ジョエル・シャーマン記者は、誰におもねることもなく辛辣な記事を書くことで知られているが、彼もまた田中のことを「新人王、サイ・ヤング賞はもちろん、MVP争いに加わってもおかしくない逸材」と絶賛しているほどだ。

 メジャー1年目でオールスターに選ばれるだけでも光栄なことだが、現段階で極めて可能性が高いと目されるのが、オールスターの先発投手になることだ。

 地元ニューヨークではもちろんのこと、あらゆる地域の記者たちが「タナカが先発するのでは?」と予想している。興味深いのは、今回ア・リーグを率いるファレル監督(レッドソックス)を知るボストンの記者たちも「タナカが先発するに違いない」と言っていることだ。すでに10勝を挙げているバーリー、ダルビッシュも有力候補の1人だが、話題性や世論も手伝って、田中が選ばれる可能性は十分にあり得る。

 ただし、規定により、前半最終戦にあたる7月13日に先発した投手はオールスターでは先発できない。メジャーの場合、先発ローテを5人で回すことが定石で、緊急事態がない限り、順番が入れ替わることはないので、大体の予定は把握できる。ヤンキースの先発ローテが予定通りに回れば、田中は7月12日に先発することとなり、問題なく起用することができそうだ。先発することになれば、日本人投手としては1995年の野茂英雄氏(ドジャース)以来の出来事となるだけに、実現を期待したいところだ。

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