先発投手をトレードで補強すべき―― 田中将大に大きく依存するヤンキースに地元紙が提言

ヤンキース先発陣が抱えている懸念材料

 さらに記事ではヤンキースの先発陣が抱えている懸念材料を挙げている。

 まずは田中についてア・リーグ新人王とサイ・ヤング賞の最有力候補としながらも、ほぼ中4日で先発をこなすことは初めての経験であり、躓くことなくシーズンを投げ切れるかについて疑問を示している。また、田中という長期の「投資物件」を守るのか、あるいは目先の勝利のために酷使するのか、悩ましい状況にヤンキースが陥る可能性があることも指摘している。

 黒田博樹投手についても20日のオリオールズ戦で5回まで好投しながら、球数が90球を超えたあたりから球威が衰え始めた点を指摘。加齢やキャリアで積み重ねてきた投球回数の問題にも触れ、6回までの先発投手としては優秀、との評価を下している。

 また、右膝痛で復帰まで1か月程度と見られているCC・サバシア投手や、松ヤニを使用した不正投球で物議を醸し、その後故障者リスト入りしたマイケル・ピネダらについても、戦力として計算できるかどうか懐疑的な視線を送っている。現在先発ローテーションの一角として奮闘しているチェース・ウイットリー投手や、デビッド・フェルプス投手、ヴィダル・ヌーニョ投手についてもそれぞれ懸念事項を指摘。特に防御率5・88のヌーニョについては「ヤンキースは5試合毎にほとんど降参している」と酷評している。

 さらに中継ぎのウォーレンをヌーニョに代わる先発候補としながらも、ヤンキース投手陣の強みは、田中を除けば、ウォーレン、ベタンセス、デビッド・ロバートソンのブルペントリオしかいない点にも触れ、ウォーレンの先発転向による危機的状況を未然に防ぐためにも、先発投手の補強は必要不可欠だと結論付けている。

 現在、ヤンキースはア・リーグ東地区で3位につけるが、39勝36敗のうち田中の先発した試合が12勝3敗であることからも、今季加入したばかりの日本人右腕に対していかに依存しているかが分かる。昨年に続き、プレーオフ進出を逃すのか、それとも、ここから巻き返すのか。名門にとって新たな先発投手の補強は急務と言えそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY