痛恨の被弾で3敗目を喫した田中将大に辛辣なニューヨークメディアの洗礼! 相手打者は「愚か」と侮辱的な言葉を発する
ナポリ「オレに速球を投げてきた。なんて愚かだ!」
田中にとっては痛恨の一球。決勝弾を放ったナポリは自軍のダグアウトに戻るとこう叫んだという。
「何て愚かなんだ。オレに速球を投げてきた。なんて愚かだ」
ヤンキースの新たなエースに対して「idiot(愚か)」という侮蔑文句を2度も使い、勝ち誇っていたという。ヤンキースとレッドソックスは不倶戴天のライバルだけに、ア・リーグでトップクラスの成績を残している田中からホームランを打った喜びも加わったのかも知れない。
「ナポリの言葉は不快だろうが、彼の判断は正しい。たとえ、田中にとっては狙い通り外角高めへのピッチングだったとしても、あそこでファストボールを投げる根拠はない。ナポリにこの夜、2度も効力を発揮したボール(スプリット)を避ける理由はどこにもない」
記事では田中の判断を激しく責めている。
また、ジョー・ジラルディ監督は「彼はスプリットで多大な成果を収めてきた。だから、私には彼がどこに投げようとしたのか分からない。コントロールが甘くなるミスを犯した。それを受け入れるしかない。そこから学んで、成長すればいい」と、3人の先発投手が負傷離脱して危機的状況に陥る名門を救っている田中をかばっている。一方で、女房役のマッキャンは「田中のボールは常に狙い通りだった」とコントロールミスではないことを明らかにしたという。
9回7安打1四球8奪三振。ソロホームラン2本を打たれたが、116球を投げ、ストライクは86球と制球も抜群だった。2連敗となったが、11勝3敗、防御率は2・10でともにア・リーグトップ。この日の力投で開幕から16試合連続でクオリティ・スタート(6回以上を自責3点以内)となり、1973年にスティーブ・ロジャース投手(元エクスポズ)が達成したデビューからのメジャー記録に並んだ。
しかし、ヤンキースを救い、絶大な成績を残している田中ですら、わずか1球で厳しく批判される。地元紙ニューヨーク・デイリーニュースも「マサヒロ タナカはマイク・ナポリに1つの致命的なミスを犯し、ヤンキースのエースは愚か者と呼ばれる」と大見出しで、この1球を巡るドラマを特集している。順風満帆の“神の子”が辛辣なニューヨークのメディアと宿敵ボストンから浴びせられた初めての洗礼と言えるかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count