メジャー球団がハッキング被害!?　流出したアストロズのトレードに関わる機密文書にはイチローの名も

思わぬスキャンダルに襲われたアストロズ

　今季は定位置の地区最下位から抜け出せそうなアストロズが、思わぬスキャンダルに襲われた。球団自慢のデータバンク「グラウンド・コントロール」がハッキングされ、システム内に保存されていた機密文書がリークされてしまったのだ。まるで、「007シリーズ」や「ボーン・アイデンティティ」といったスパイ／アクション映画の宣伝文句のようだが、紛れもない現実の出来事。そして、リークされた機密文書とは、他球団との間で交わされたトレードに関する会話・交渉のメモだった。

　アストロズのメモが公開されたのは、AnonBinというハッキングした情報やリークされた情報を匿名で投稿できるサイトだ。ここに掲載されたメモが作成されたのは、2013年6月から今年3月の期間。どのチームがどの選手をトレードに出す意思があるのか、特定の選手にどれだけの価値を見出しているのか、不謹慎ながらも、内容は非常に興味深い。

　メモの中に数多く登場するのが、昨季7月31日にアストロズからオリオールズへトレード移籍した投手バド・ノリスの名前だ。ノリスのトレードを画策するアストロズが、複数球団に話を持ちかけ、見返りとしてどの選手をもらえるか、交渉している様子がわかる。その一部を抜粋してみよう。

「7/24/2013　JL（アストロズGMジェフ・ルーノー）がBC（レッドソックスGMベン・チェリントン）に、現時点で（ノリス獲得の）会話に入りたいなら、ボガーツ、ウェブスター、ブラッドリー、チェッキーニのいずれかが含まれないと厳しいと伝えた」

「7/24/2013　BOS（ボストン）はライアン・ラバンウェイかデビン・マレロならノリスと交換すると言ってきた。だが、こちらはノー」

「7/26/2013　DD（オリオールズGMダン・デュケット）がノリスのトレードはバンディなしでできるか確認をしてきた。JLは難しいと言ったが、バンディをくれるならノリスに誰かを付け加えてもいいと伝えた」

「7/28/2013　NH（パイレーツGMニール・ハンティントン）がノリスのトレード条件としてエレディア＋ドラフト指名権を提案。JLの返事はノー」

「7/29/2013　SF（ジャイアンツ）がまだノリス獲得に興味あり。JLは、本気で獲得したいなら、ブラックバーンとメヒアの両者が含まれることが条件と伝えた」