ライバルの戦力外でイチローのレギュラーは盤石に 地元メディアも「今年のイチローは驚くべき発見だった」と絶賛

不振を極めたソリアーノが戦力外に

 ヤンキースのイチロー外野手(40)が開幕前の5番手の外野手という低評価を打ち破り、ついにライトのレギュラーを盤石なものとした。ライトのポジションを分け合っていたアルフォンソ・ソリアーノ外野手(38)が打率2割2分1厘という不振を理由に戦力外通告を受けたもの。ESPNが「残念ながら、ソリアーノが戦力外に」という見出しで特集している。

 ソリアーノは6日にヤンキースから戦力外通告を受けた。昨季途中にカブスから加入したソリアーノは58試合で17本塁打、50打点と活躍。開幕前の時点ではカルロス・ベルトラン、ジャコビー・エルズベリーという大型補強の外野陣で4番手に位置づけられ、当初は指名打者としてレギュラーを張っていた。

 しかし、今季は不振を極めた。2割2分1厘で本塁打6本。打点は23で、記事では「年齢通りのプレー」と急激な衰えを指摘。特に右投手相手には2割4厘と苦しんだという。また左投手にも2割4分7厘と打ち込んでいたとは言えず、右肘に故障を抱えるベルトランがDHに入るようになって以降は守備面でも不安定さを露呈する場面もあった。

 そして、記事ではイチローの今後の先発起用を分析している。「ベルトランが故障を抱え、守れない現状で、40歳のイチロー スズキが毎試合ライトで先発することになる。今年のイチローは驚くべき発見だった」と絶賛している。

 6日のツインズ戦では4打数3安打と爆発したイチローは今季2割9分4厘とチーム最高の打率をマークしている。「若返りする必要のあるチームとしては、(イチローの)年齢面から見ると方向性は逆だ」とも指摘しているが、今季イチローが徐々に出番を増やすことができたのも、チーム方針や加齢による固定観念を覆すほどのパフォーマンスを走攻守で見せてきたからだ。

 ジョー・ジラルディ監督も「ソリアーノは右腕相手にどうしようもないほど明確に苦しんでいた。守備に関してもイチローがソリアーノより上だ。ジレンマだね」と苦悩しながらも、イチローの守備力を称えていたという。

 指揮官は「ソリアーノを戦力外にした。最も難しい決断だった。彼は偉大なヤンキースの一員で素晴らしい選手だからだ。我々には現在ピッチャーが必要で、ビリングスを昇格させた。ブルペンは消耗し切っている状態だ」とも説明している。ソリアーノの去ったロースターにはイチローと同じ外野手ではなく、右腕ブルース・ビリングスを3Aから昇格させた。日本の誇る天才安打製造機は開幕前の低評価を覆し、自らの力で定位置を奪還した。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY