「今季最も替えのきかないピッチャー」トップ6に田中将大とダルビッシュ有 数値上でも田中の離脱はヤンキースにとって大打撃

ダルビッシュは「数字上では今季がキャリア最高」

 ダルビッシュは4番目に登場する。WARは2・9で、若手左腕マーティン・ペレスの0・7を2・2上回る。記事では「数字上では、今季がキャリア最高」と評価されている。FIP2・78、9イニングあたりの被本塁打0・7、与四球3・0はメジャー3年目で最も良く、リーグベストの奪三振率11・1も特筆すべき数字だ。

 レンジャーズはけが人続出でア・リーグ西地区最下位に沈む。ペレスは5月中旬に左肘靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、マット・ハリソンも今季絶望。そして、デレク・ホランドも復帰が遅れている。すでにチームは崩壊気味だが、ダルビッシュがいなくなれば、レンジャーズの投手陣は救いようのない状態になる。

 5番目にはマリナーズのフェリックス・ヘルナンデスが挙げられた。WAR4・0はクリス・ヤング(2・1)よりも1・9優れている。10日時点ではリーグ2位の防御率2・11で、FIP1・94は1位。同誌は「キャリアの中でもベストシーズンのまっただ中」と記す。エースの活躍で、マリナーズは久々にプレーオフを狙える位置に付けている。9イニングあたりの被本塁打0・3、与四球1・5、奪三振9・6は、輝かしいキャリアでもベストの数字だ。

 ただ、2位のヤングはいずれ岩隈久志に抜かれる可能性が高い。指の故障で開幕から約1か月出遅れた日本人右腕は、復帰後に圧倒的なパフォーマンスを続けている。メジャートップクラスの投手がもう1人いることで、ヘルナンデスへの依存度は下がっていくと言えそうだ。

 そして、最後の1人はブルージェイズのマーク・バーリー。WARは4・0で、2位のドリュー・ハッチソン(2・1)とは1・9の差がある。35歳のベテランは突如として、キャリア最高のシーズンを送っている。ただ、最近5試合は防御率4・09、9イニングあたりの被本塁打1・6と調子を崩し、チームの不調につながってしまっている。

 こうして見てみると、ヤンキースがいかにルーキーの田中に依存していたかが分かる。黒田が調子を取り戻してきているのはプラス材料だが、田中が予定通りに6週間で復帰できず、トミー・ジョン手術が必要となれば、今季のプレーオフ進出は極めて難しくなるだろう。6週間で優勝が絶望的になってしまう可能性も十分にある。田中の離脱が、名門球団にとって致命傷となるかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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