ダルビッシュの恩師はこんなにも熱い人 大敗の日に選手に説いた「責務」がレンジャーズの巻き返しにつながるか

ワシントン監督が語る「責務」

 監督は「Commitment」という言葉を使っているのだが、ここでは「責務」という日本語訳を使っていきたい。この「責務」に関する監督の説明を続けよう。

「責務とは、試合の流れや状況の中で選手が求められるプレー、果たすべきプレーをすることで、自分のとった行動の結果が正しいプレーであるよう願うことではない。自分が何をできるかを知り、それを実行すること。このチームに新しく入ってきた選手たちに、この意味を理解させている真っ只中なんだ」

 今季レンジャーズは怪我に祟られ、1年前のメンバーからがらっと顔ぶれが変わった。メジャーロースター25人のうち、今季ルーキーに数えられる新人は7人。2年目のテペッシュも合わせれば、約1/3の8人が未経験の選手だ。

 2010年、2011年と2年連続でワールドシリーズに出場した時のメンバーで残っている顔ぶれと言えば、エイドリアン・ベルトレ、エルビス・アンドルス、コルビー・ルイスの3人だけ。ワシントン監督が目指すレンジャーズのあり方をたたき込むことは必然なことだったのかもしれない。

「メジャーでプレーするということは成績や数字を気にすることじゃない。チームとして勝利を重ねることがすべて。まだ、自分の態度を省みて、責務とは何かを考えなければならない選手がいる。時には、誰もが責務とは何かを思い出さなければならない。

 私はチーム全員にいい契約を勝ち取ってもらいたい。一部の選手だけいいシーズンを送って、いい契約を勝ち取るんじゃない。全員がいい契約をもらうには、チームとして勝たなければならない。そのためには、若い選手たちに果たすべき責務とは何かを理解させ、チームとしての信念を1つにまとめ、正しい方向に進んでいくことが必要だ。

 正しいことをしようとトライして達成できなかった分には問題ない。少なくとも正しいことをしようとすれば、野球を知っている人の目には留まる。正しいプレーをしようとすれば、しない時よりも、断然高い確率で正しい結果が得られる」

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