イチローを起用しないヤンキース監督にイライラ!? 現地メディアの前半戦総括でイチローの評価が急上昇

チーム最高打率を残したイチローへの評価

 米スポーツ専門メディア「ESPN」がヤンキースの前半戦を総括し、全選手の採点を行った。開幕時に外野手の5番手扱いからレギュラーの座を勝ち取ったイチロー外野手はチーム8位のB判定という評価となっている。

 外野手での最高評価はブレット・ガードナーのA評価。ジャコビー・エルズベリーがB+で続いており、イチローは3番目の評価が下されている。野手全体でも4番手につけており、開幕前に厳しい見方を示していた現地メディアの間で、以前の低評価を一気に覆した形だ。

 イチローは今季開幕前にトレード要員とされ、代打、代走、守備固めなどの出場が続いていたが、その限定的な起用法の中でも高いパフォーマンスを発揮。外野手の4番手で指名打者として出場していたアルフォンソ・ソリアーノと次第にライトのポジションを分け合うようになり、最終的にソリアーノが戦力外となった。

 結果的にイチローはライトのレギュラーとしてシーズンの折り返しを迎えることになり、今月10日のインディアンス戦でメジャー通算2800本目のヒットを記録するなど、通算3000本安打という偉業も見え始めている。

 そんなイチローの前半戦のパフォーマンスについて、記事の寸評では「今年は年齢をある程度感じさせるが、ヤンキースの他のレギュラーの誰よりも高い打率で打っている。ただ、ガードナーと同様に、彼の働きよりも、他の選手の働きとの相対論もある。パワーはゼロだが、シーズンを通じて打率3割あたりをキープしている。ジラルディの起用法、というか正確にはイチローを起用しない方針は、ベルトランが故障で倒れ、ソリアーノが放出されるまで、イライラを募らせるものだった」と分析している。

 辛辣で有名なニューヨークメディアらしく、「パワーはゼロ」と厳しく批評しながらも、ジラルディ監督が走攻守でハイレベルな働きを見せていたイチローを差し置いて、深刻な不振にあえいでいたベルトランとソリアーノを重用し続けたことに大きなクエスチョンマークを投げかけている。

 チーム最高となる打率2割9分7厘で前半戦を終えた日本の誇る天才安打製造機には18日(日本時間19日)から始まる後半戦の活躍も期待したいところだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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