上原浩治が初球宴でダルビッシュにスライダーの握りを教わる場面も 「1回でいい」と話す夢舞台で最強クローザーが充実の時間を過ごす

スライダーという“お土産”を持ち帰る

 試合前の練習中には、2012年にレンジャーズでチームメートだったダルビッシュから、外野でスライダーの握りを教わる場面が見られた。直球とスプリットだけでも相手を圧倒できる守護神だが、実はスライダーも持ち玉の1つで、今季も公式戦で何回か試している。ダルビッシュはメジャーでもNO1と評価されるスライダーの持ち主だけに、これ以上の教材はないだろう。キャッチボールで実際に本人にボールを受けてもらい、その精度を確認した。

 上原の投球に横に鋭く変化するボールが加わったら、間違いなく手が付けられなくなる。前日会見から冗談交じりに「本当は休みたかった」と繰り返していたが、しっかりと“お土産”を持ち帰った。後半戦は、ダルビッシュのスパイスを加えたスライダーを投球に織り交ぜる上原が見られるかもしれない。

 レッドソックスはア・リーグ東地区で首位オリオールズと9・5ゲーム差の最下位。上原にはトレードの噂もつきまとう。ただ、まずは2年連続の世界一を目指してチームの勝利に貢献することしか考えていない。まだ諦めるわけにはいかないのだ。

「やっぱり(オールスターよりも)ワールドチャンピオンの方がうれしいですから。まだ諦める訳にはいかないので、(後半戦も)頑張ります」

 レッドソックスが優勝を諦めずに巻き返しを狙うなら、新たな勲章を加えた最強クローザーは必要不可欠なはずだが、果たしてどうなるだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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