田中将大の負傷でブックメーカーのオッズも大変動 ワールドシリーズ優勝予想でヤンキースはさらなる“穴馬券”に

ヤンキースの優勝オッズは23倍に

 ヤンキースの田中将大投手の右肘靭帯部分断裂を受けて、大手ブックメーカーが田中のサイ・ヤング賞受賞の予想と、ヤンキースの優勝の予想をあわせて一気に下方修正し、倍率が一気に上がっている。ニューヨーク地元紙「デイリーニューズ」が米オンラインブックメーカー「ボバダ」の倍率を発表している。

 田中は開幕前のサイ・ヤング賞争いの予想で、16倍のオッズを付けられていた。オープン戦での好投でヤンキース投手陣ではトップで全体では8位。それが開幕後の圧倒的なピッチングにより、6月時点で田中は1位の4倍にまで上り詰めていた。

 だが、田中は今月8日のインディアンス戦登板後、肘の故障が発覚。保存治療で全治6週間と診断されたが、痛みがなくならない場合、腱の移植し、靭帯を再建するトミー・ジョン手術の可能性もあるために、ブックマーカーは敏感に反応した。田中の倍率は8・5倍の3位となった。レンジャーズのダルビッシュ有投手、アスレチックスのスコット・カズミアー投手とともに倍率で並んでいる。

 1位は15日のオールスター戦でも先発投手を務めた“キング”の異名を持つマリナーズのフェリックス・ヘルナンデス投手で、2・5倍と圧倒的な本命と目されている。2位は同じオールスター戦で登板した“コンドル”の異名を持つホワイトソックスの変則左腕クリス・セール投手の6倍だ。

 一方、現在勝率5割でエース田中が戦線離脱となったヤンキースのワールドシリーズ優勝のオッズも上がっている。デイリーニューズ紙は「6週間前にヤンキースのワールドシリーズ優勝の倍率は17倍とまったくいい評価ではなかった。だが、マサヒロ タナカの故障がヤンキースをさらなるどん底に追いやった。後半戦開幕時のボンバーズ(ヤンキースの愛称)のワールドシリーズ優勝のオッズは23倍となった」と報じている。

 開幕前は10倍とまずまずの評価だったが、12勝4敗と両リーグトップタイの勝ち星を挙げていた田中の右肘の状態はブックメーカーの市場を大きく動かした。エース離脱により、開幕時の先発ローテーション5人中4人が故障者リスト入りする異常事態となり、ヤンキースのオッズは急上昇。“穴馬券”の道を突き進んでいる。

 ワールドシリーズ優勝の大本命はアスレチックスの6倍。2位はタイガースとドジャースの7倍で並んでいる。ブックメーカーの世界でも巨大な存在感を放つ田中。リハビリを無事に終え、手術回避となれば、また掛け率は大幅な変動を見せるかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY