【山本一郎コラム】ぶっちぎりの首位・巨人に最下位・ヤクルトが立ち向かう一戦を解説!

編成と育成

神田 野球はピッチャーだもんなあ。

山本 やっぱり巨人とかソフトバンクの人と話していると、そういう育成にカネをかけられる球団と、そうでない球団とでシーズンを通しての成績安定度がずいぶん変わってきたように思うんですよね。

神田 昔はドラフトもほとんどが人脈とかコネだったもんな。

山本 いままでのドラフトでは引っかからなかったような大学・社会人の投手でも、試合での投球を計測して篩いにかけて、これはという選手は積極的に育成で声をかけてますよね。

神田 プロになる道筋や評価が多様化すれば選手にとってもいいことだよね。若いころ球たくさん放るとやっぱりヘタって故障するのも多いしな。

山本 そうですねえ。ただ、採用が増えるということは、見切られてユニフォームを脱ぐまでの期間も短くなるってことですからね。

神田 シビアだねえ。

山本 いま、フィジカルに関して言えば、球団がきっちり選手の練習を管理しているところでは、半年ウェイトの伸びを見れば身体的な伸びしろがどこまであるか分かるようになっちゃいましたからね。

神田 関節の柔らかさとか言うとったな。あれって才能なんやろ。

山本 筋肉の硬さや関節の柔らかさは確実に才能ですね。選球眼やペイシェンス(狙い球を選ぶ能力)も。

神田 そうなると、いろいろ選手採ったとこ勝ちやろな。

山本 何しろ、肉離れなどの故障の可能性や疲労回復の早さにも影響するんでね。疲労と故障の相関は極めて高いので、回復力の高い若い投手をすばやく育てて、イニングを与えて計算の立つ投手を無駄に使わなくて済むような計算をする必要がありますね。

神田 体幹トレばっかやってる球団に故障が多いってな。

山本 それはヤクルトのことじゃないですか(笑)。もちろん選手個々の能力を伸ばすには一番大事なんですが、体重が増えやすくなって膝に来たり、選手によっては肉離れになりやすくなるようですね。

神田 トレーニング大事だな。西口もベテランになってから筋トレ始めて少し復活したしな。

山本 チーム全体で見ると、何のためのトレーニングかをはっきりさせる必要はありますよね。計算の立つ能力ある投手は、勝てる試合にだけ登板させたい。そうなると、微妙な展開の試合に送り込める二線級投手の質が、最終的には接戦の勝敗にダイレクトに効いてくるわけですよ。

神田 昔はそういう試合はベテランが受け持ったんだろうけど、投手は経験が活きにくくなってるって言うし、難しいところなんやろな。ベテランが何年か頑張ってイニング埋めてる間に若い投手が出てきてっていうようなサイクルを待つだけじゃチームがもたなくなってきてる。

山本 ヤクルトだと、僅差の負け試合は、本来押本とか山本哲とか松岡とかの、中堅からベテランの職場なんですけどね。巨人はそこに育成上がりの若手を出してくる。

 岩村が代打で出てきてタイムリーヒット。

神田 岩村元気やな。

山本 いまのヤクルトなら、あれで充分ですね。

神田 球場全体がお通夜みたいやで。

山本 あそこの一角だけがヤクルトファンで活気付いてますね。

神田 ところで、ヤクルトのトランペットはなんで、あんなんなん? バラバラすぎて、せっかくのチャンステーマなのに何を吹いてるんだか俺には分からん。

山本 あれでもかなり上手くなったんですよ。

神田 込み入った曲をみんなで吹くからや。

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