ダルビッシュ有の「先発6人制」提言が米国でも議論呼ぶ 肘の故障が続出するメジャーに一石を投じる!?

日本プロ野球の経験者から賛同する意見も

 レンジャーズのダルビッシュ有投手がオールスター前日の会見で中4日の登板間隔について短いとし、中6日あれば肘の炎症が取れると日本メディアの前で発言したことを受け、米メディアでも波紋を呼んでいる。FOXスポーツ、ESPN、ニューヨークタイムズなど複数メディアが報じている。ニューヨークの地元紙ニューズデイは「6人でのローテーションを支持するダルビッシュ有」との見出しで報道。FOXスポーツも「腕の故障を減らすため、6人でのローテーションをダルビッシュが提言」と伝えている。

 メジャーリーグでは腱を移植する肘の靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受ける選手が続出。今季ヤンキースに加入した田中将大投手も前半戦でメジャー最多の12勝を挙げながら、肘の痛みを訴え、右肘靭帯の部分断裂が判明したばかりだ。田中の場合はヤンキースのチームドクターらから手術の必要はないと判断され、PRP療法と呼ばれる再生療法を実施。6週間での回復を目指している最中だ。しかし、メジャーで一般的な中4日での登板が肘に負担をかけていたとすれば、たとえ早期復帰を果たしたとしても、不安は付きまとう。

 ダルビッシュはオールスターの前日会見で、日本のように中6日あれば靱帯の炎症はクリーンに取れると発言。メジャーでも先発枠を1人増やして6人とし、最低でも中5日が必要と提言していた。

「投手の腕を守るため、少ない登板をエースは支持」との見出しで報じているニューヨークタイムズは2008、09年と広島でプレーしたレンジャーズのコルビー・ルイス投手の「(日本時代の)週1回の登板は好きだったよ」とのコメントを紹介。「いつもとても健康で力強い感覚があった。ここにきて5日ごとに投げているが、違いがあるね。田中に起きたことの原因とは言わないが、考える価値はあるだろう」と登板間隔を広げる案を好意的に捉えている。

 また、日米で監督経験のあるボビー・バレンタイン氏もダルビッシュの発言に賛同し、「シーズン中に多く先発登板できないかもしれないが、キャリアの長さをもっと長くすることができるだろう」とコメント。日本ではメジャーと比べて肘を手術する選手が圧倒的に少ないことも、米国で議論を呼ぶ要因となっている。

 主力投手がトミー・ジョン手術となれば復帰まで1年以上を要するため、球団にとっても大きな痛手。日本で別格の存在として活躍し、昨季サイ・ヤング賞争いで2位となるなどメジャーでも実績を残しているダルビッシュの発言だけに、今後も波紋は広がっていきそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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