最下位なのに強烈な攻撃力 燕打線を牽引する驚異のトップバッター山田哲人のブレイクの理由

山田哲人が“圧巻”の打撃を見せている要因

 今季、打撃陣の好調が続いてる東京ヤクルトスワローズ。夏場に差し掛かり、その勢いはより強さを増してきている。セ・リーグの打撃10傑に4選手(山田哲人、川端慎吾、雄平、バレンティン)が名を連ね、チーム打率、チーム得点は共にリーグでダントツのトップだ。

 そんなヤクルト打線の中でも、“大ブレイク”で注目を集めているのが、強打のトップバッター・山田哲人だ。

 開幕から1番・セカンドに座った山田は、8月14日の時点で打率.341(リーグ2位)、22本塁打(3位)、68打点(3位)と好調を維持し、安打(142)、二塁打(34)、塁打数(244)、得点(83)など複数部門でリーグトップに立っている。出塁率(.423)とOPS(1.008)もそれぞれバレンティン(.429、1.017)に次ぐ2位で、いかに突出した成績を残しているかが分かる。

 山田はプロ入り4年目の内野手で、2年目から1軍の試合に出場するようになり、昨年半ばからセカンドの定位置を確保した。昨年は主に1番を任され94試合に出場し、打率.283、3本塁打と高卒3年目の選手としては一定の成績を残したと言えるだろう。しかし、今年ここまで見せている打撃は、まさに“圧巻”の一言。

 山田はなぜ、こんな急成長を見せたのだろうか。昨年までヤクルトの守備・走塁コーチを務め、現役時代は長くヤクルトの1番打者を務めたスポーツコメンテーターの飯田哲也氏は、山田が躍進を遂げた理由をこう語る。

「山田は去年まで“バットを強く振る”ことを意識しすぎていたところがありました。長打ばかりを狙っていた訳ではないと思いますが、打席では強いスイングを心がけていた面があります。しかし今年は、広角に打つことができていて、無茶な大振りは影を潜めています。ジャストミートすれば、打球は飛んでいくんだということが頭に入って、体に染みついてきたことが要因になっていると思います。僕は守備・走塁コーチだったので、バッティングをしっかり見ていた訳ではありませんが、たまに“振りすぎだよ”と声は掛けていたので(笑)」

RECOMMEND