3戦連発の驚異ルーキー森友哉が秘める可能性 「10年、20年とプレーできる能力を持った選手」

今後の飛躍には守備面の成長と重圧がかかる場面での結果が不可欠

 森は7月末に1軍登録され、主に代打での起用が目立っている。捕手として守備機会を得ることはまだ殆どないが、代打で起用されると極めて高い成功率を残している。7打数4安打2本塁打で、1四球を選んでおり、打率.571、出塁率は.625だ。(19日現在)

「森君は、今のところプロとしての経験がないですから、逆に打席に立つのが楽しくて仕方ないと感じていると思います。打席に立って“試合を決めなければ”というようなプレッシャーもありませんし、極めてポジティブにやれているのかなと思います。チームも彼に対して責任を負わせるようなことはありませんし、楽しみながら打席に立つことが、彼の持つ積極性を引き出して、それが好結果に繋がっていると思います。代打成績が良いのは、そうした要因が大きいのではないでしょうか。逆に、これから出場機会が増えていく中で、1試合の重みや勝敗の重要性を嫌でも感じていくようになるので」

 3試合連続本塁打は非常に目立つ事象だったため、森の打撃への注目度は急に高まってきたところもあるが、今後、森はどのような選手になっていくのだろうか。飯田氏は続ける。

「キャッチャーは、試合をコントロールする役割もありますし、1つしかないポジションでもあり、非常に難しいポジションです。ただ、一度レギュラーを掴んでしまえば長くプレーできるポジションでもあります。森君のバッティングがあれば、打つ方はある程度放っておいても伸びていくと思うので、みっちり守備を鍛えていって欲しいですね。

 守備面で成長していけば、レギュラーを奪って10年、20年とプレーできる能力を持った選手です。もちろん簡単なことではありませんが、ベンチにいるときも常に配球を読み、考えながら勉強しながら時間を使っていければ。楽しみな選手なのは間違いないです」

 森はまだ1軍で十数試合に出場しただけのルーキーだが、思い切りの良いパワフルなバッティングはやはり魅力的だ。果たして、どんな打者へと成長していくのだろうか。

【了】

飯田哲也プロフィール

スポーツコメンテーター。1968年東京都出身。1987年に捕手としてヤクルトスワローズに入団、主に外野手としてヤクルトの1番バッターを長く務めた。2005年からは2年間楽天イーグルスに在籍。2006年に現役を引退すると、古巣ヤクルトで2013年まで守備・走塁コーチを務めた。
飯田哲也オフィシャルブログ

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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