主砲の不在もなんのその 広島の窮地は「おさむちゃん」が救う

ニックネームはなぜか「おさむ」

 2軍では、1軍でのプレー経験を生かし、課題克服に力を注いだ。

「前回1軍にいたときは、タイミングが遅れて、差し込まれる感じがあった。技術的には小さなことだけど、短い軌道でバットを出すこと、始動を早めることに取り組んだ」

 スイングがコンパクトになり、約1か月ぶりの1軍の投手相手にも対応。3度目の降格となる直前の3試合で7個喫した三振が、ここ3試合では1個。4戦連続安打、3戦連続でマルチ安打と、その成果を発揮している。

 救世主となりつつあるドミニカンのニックネームは、なぜか「おさむ」。昭和の香りを感じ、何となく“おさむ”っぽいという理由で石井琢朗内野守備走塁コーチが名付けたのだが、これが周囲に定着した。

 試合が雨天中断時には「待っているファンを楽しませたい」と、バックスクリーンに映し出されるカメラの前でダンスを踊り、ファンを楽しませるのも、恒例行事となりつつある。

 内野ゴロでも常に全力疾走するなど、野球への姿勢も真摯。明るく、陽気なキャラとその一生懸命なプレースタイルで、仲間やファンの心を早くもつかんでいる。

 8月19日の時点で、打率3割5分、8本塁打26打点。第5の助っ人としては、十二分の成績と言える。首位の巨人との差は3ゲーム。逆転での優勝へ、「おさむちゃん」が鯉の切り札だ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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