後半戦好調の黒田博樹 地元メディアからも高評価

ここ3試合は2勝0敗、防御率2・75

 ヤンキースの黒田博樹投手が28日(日本時間29日)のタイガース戦で7回を投げ、2失点とハイクオリティスタート(7回以上を投げ、自責2以内)を達成したが、チームは2-3でサヨナラ負けを喫し、勝敗は付かなかった。好投しても勝ち星がつかないことが珍しくないベテラン右腕だが、地元紙ニューヨーク・デイリーニューズは後半戦の好調ぶりを称えている。「ヤンキースの用心深さがヒロキ クロダの好調を支える」と報じている。

 タイガース戦で今季10勝目(8敗)を逃した黒田だが、記事では3試合連続でクオリティースタート(6回以上を投げ、自責3以内)を記録したことを指摘。また、ここ3試合の成績は2勝0敗で防御率は2・75、一方、昨年の同時期の3試合が防御率8・10と打ち込まれていたことにも触れている。後半戦の内容は今季と昨季では対照的な数字となっている。

「去年の後半戦は悪かった。そのことは頭に入れている。今年は違うようにしようと努力している」

 黒田は通訳を介してこう語ったという。

 黒田の昨季終盤戦の失速は、名門がプレーオフ進出を逃した一因となったかもしれない。昨年のオールスター前までの前半戦は8勝6敗で防御率2・65の成績でサイ・ヤング賞候補にも推されたほどだった。だが、後半戦は3勝7敗、防御率4・25と失速。本人のみならず、チームもこのデータを頭に入れていた。

 今季ヤンキースは黒田の登板した27試合のうち13試合で通常の中4日よりも最低1日多く登板間隔を空けている。ヤンキースは39歳の日本人エースのコンディションをできるだけ万全な状態に保とうとしているという。結果、今季は前半戦で6勝6敗、防御率4・10だったが、後半戦は3勝2敗、防御率3・38と調子を上げている。

 特にここ最近は期待に応える力投を見せている黒田だが、ヤンキースの深刻な貧打により見殺しにされる試合も少なくない。2年ぶりのプレーオフ進出のためにも、味方打線の奮起を期待したいところだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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