ヤンキースの逆転プレーオフ進出へ、イチローがキーマンの1人

イチローの試合への入念な準備に同僚も「アメージング」

 ヤンキースにとって2年ぶりのプレーオフ進出を成し得るかどうかの瀬戸際で、打撃陣が調子を落とす中、イチローの復調の理由は日々の細かいコンディショニングにあるのだろうか。ブライアン・マッキャン捕手は「イチローは素晴らしいよ。彼の試合に臨む準備ときたらアメージングとしか言えないよ」と証言する。

 関節や筋肉、筋などの故障を避けるためにクラブハウスではストレッチポールなどの器具を活用し、抜かりない準備を続けている。先発であろうが、ベンチであろうが、プロの流儀は変わらない。

 ガードナーも「試合に入るためにあんなに入念な準備をする選手はみたことがない。そんな選手を軽視するなどできるはずがない」と深くリスペクトしている。もちろん、打撃のみならず、守備の安定感は健在だ。同じ外野手として「(イチローが)レギュラーとしてプレーした時にチームに絶対貢献してくれるものの一つには本当に素晴らしい守備がある。これは見過ごされやすい部分であるんだけどね」と付け加えている。

 今季、イチローの得点圏打率は2割6厘と低迷しており、キャリア通算の3割1分3厘と比べると、確かに見劣りする部分はある。ただ、8月24日のホワイトソックス戦では1点を追う6回に満塁のチャンスでクリス・セールから逆転の2点タイムリー。ア・リーグ最強左腕から左打者が打点を挙げたのは、約1年ぶりのことだった。9月にも本来の勝負強い打撃が見られるようになれば、ヤンキースにとってイチローの存在価値はさらに大きくなる。

 ワイルドカードでのプレーオフ進出を目指すことになるヤンキースは、プレーオフ圏内にいるタイガースと4ゲーム差と厳しい状況になっている。名門の意地をかけた怒濤の逆襲へ、復調してきたイチローの走攻守に渡る活躍を期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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