黒田博樹が39歳で5年連続2桁勝利の偉業 イチローの存在も心の支えに

ヤンキース監督も「キーとなる球が良かった」と評価

 昨年は6連敗でシーズンを終えた。今季序盤に地元メディアが黒田の不安を指摘する時は、必ずその事実を振り返り、衰えの根拠の1つとして挙げた。チームがプレーオフ争いを繰り広げていた中、本来の投球が出来なかった昨季の不甲斐なさは、本人も忘れていない。だが、自らの力で、その原因が衰えではなかったことを証明している。

「あの時期に貢献できなかった悔しさというのはずっと持っている。その気持ちだけで結果は出ないけど、それが支えになっている」

 昨年の6連敗は、8月17日の登板から始まった。しかし、今季は同じ8月17日から4試合で3連勝。すべての試合でクオリティースタート(QS=6回以上を投げて自責3以内)を続けている。ジョー・ジラルディ監督も、この大事な時期で本来の投球を続けるベテランに絶大な信頼を寄せる。

「シンカーとスプリットというキーとなる球が良かった。勝利が必要だった。(黒田は)8月はとても良かった。9月をうまく滑り出したし、この調子を継続してほしい」

 10勝もあくまで通過点。エースが勝ち星を重ねるほど、ヤンキースはプレーオフ進出に近づく。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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