勢いは本物か? プロの目から見る首位ソフトバンクの好調の要因

安定感のあるリリーフ陣と繋がりが出てきた打線

「ソフトバンクはリリーフ陣も安定していますから、大隣や武田のように、負傷が癒えた投手にしてみると、長いイニングを投げなければならないというプレッシャーも少なくなります。

 7日の西武戦では五十嵐が久しぶりに打たれてしまいましたが、それでもサファテ、岡島、森福、森らが並ぶブルペンは圧倒的です。武田の復帰は、先発陣により調子の良い選手を選択できるというメリットがありますし、先発投手からすれば、5回まで試合を作れば何とかなる、という安心感を持てるつことができます」

 逆に武田が復帰したことで、秋山監督はただでさえ豊富な戦力に頭を悩ますことになるかもしれない。また、湿っていた打撃陣に繋がりが出てきたことも飯田氏は指摘する。

「長谷川が捻挫で離脱してしまいましたが、すぐに復帰できそうですし、松田が戻ってコンスタントに結果を出していることも大きいですね。長谷川が戻ってくれば、ほぼ万全と言えるのではないでしょうか。最近ちょっと湿ってきましたが吉村も代打で結果を出したり、チームとしての勢いは間違いなく出てきていると思います。

 もともと大きな穴があるチームではないですし、この時期に2位と4ゲーム差をつけられたことで、チームに余裕も出てきていると思います。追い掛けるチームにとって、4ゲーム開くと3連勝しても抜くことができませんから、追いすがることが難しくなっていくタイミングです。オリックスは首位攻防で差を詰められなかったことで、逆に流れを失ってしまったと感じます」

 圧倒的な戦力でリーグ戦を戦ってきたソフトバンク。8月に少し足踏みしたものの、残り20試合を切った終盤戦で改めて地力を発揮してきた。このままリーグ制覇へ突っ走ることができるのか、要注目だ。

【了】

飯田哲也プロフィール

スポーツコメンテーター。1968年東京都出身。1987年に捕手としてヤクルトスワローズに入団、主に外野手としてヤクルトの1番バッターを長く務めた。2005年からは2年間楽天イーグルスに在籍。2006年に現役を引退すると、古巣ヤクルトで2013年まで守備・走塁コーチを務めた。
飯田哲也オフィシャルブログ

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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