レッドソックスの上原浩治が今季初めてセットアッパーとして登板 1回を三者凡退で不調からの脱出へ第一歩を踏み出す

8回に登板して今季初ホールドを記録

 レッドソックスの上原浩治投手が12日(日本時間13日)、敵地でのロイヤルズ戦で4-2とリードして迎えた8回から今季初めてセットアッパーとして登板し、初ホールドを手にした。

 先頭打者の青木宣親外野手に5連続ファウルで粘られたが、7球目にスプリットでレフトフライ。続くオマール・インファンテ二塁手を速球で空振り三振に切って取り、アレックス・ゴードン外野手もスプリットでライトフライと三者凡退に仕留めた。15球を投げて12球がストライクと制球力の高さも健在で、4-2での勝利に貢献した。
 
 今季最大のスランプに苦しんでいた。決め球のスプリットが落ちず、この試合まで直近6試合の登板では4回2/3で10失点。この間の防御率は19.29と惨憺たる数字で、被打率5割と打ち込まれていた。そして、2失点で今季6敗目を喫した9月5日のヤンキース戦を最後に抑えの座から外れていた。

 この日の試合前のブルペン投球でも復調の確信はなかったという。地元ラジオ局WEEIの取材に応じた上原は「まだ落ちない」と通訳を介して伝家の宝刀、スプリットについて語ったという。

「どちらかというと、メンタルの問題。バッターと対戦すれば、(スプリットのキレは)戻るかもしれない。それは試合で試してみないと分からない」

 怪我、疲労、フォームの問題でなければメンタルの部分だと自己分析していた絶対守護神は、久々のマウンドで復調のきっかけを取り戻したようだ。

 2011年のレンジャーズ時代に8月17日から9月11日の9試合で7イニング6失点というスランプがあった。だが、この時は不調脱出に成功。その後の6試合の登板をわずかヒット1本の無失点で抑え、レギュラーシーズンを終えた。

「共通点はあると思う。テキサス(レンジャーズ)ではシーズン終盤戦であまりいい終わり方ができなかったので、難しい部分もあった。クローザーでいることは、自分にとって大きな問題ではない。怪我をしないまま、シーズンを終える。今は(来年)どのチームでプレーすることになるか、とか考えない。ベストを尽くして、FAで何が起こるか待つだけですね」

 防御率は2.60と回復。上原は今季限りでチームと契約満了になるが、レッドソックスのベン・チェリントンGMは契約延長の方針を打ち出している。完全復活への階段を一歩一歩、進んでいく。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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