球団史上17年ぶりの新人2桁勝利まであと1勝 広島・大瀬良はいかにして復活したのか

元来は気落ちするタイプも「気持ちの部分で成長出来た」

 初完封のあと、大瀬良自身が「ボールは今季で1番いいと思っていた。真っすぐで空振りが取れたし、とらえられなかった」と実感したように、この取り組みが実を結び始め、イメージした通りのフォームが定まってきている。

 精神面の成長も本人は要因に挙げる。元来は気落ちするタイプで、試合中でもあれこれと気にし過ぎることもあった。勝てない時期には、周囲にアドバイスを求めるなど、メンタル面の強化も意識し「気持ちの面で迷わない、折れないように投げられた。気持ちの部分で成長出来た」のだという。

 時期的なものもあるのかもしれない。おおむね大学のリーグ戦は春が4~5月、秋は9~10月に行われ、7、8月はリーグ戦がない時期にあたる。大瀬良は大卒1年目。昨年までのバイオリズムが体に残っており、試合のなかった7、8月に調子が落ち、リーグ戦が始まる9月に向けて、調子が上向くということも十分に考えられる。

 なにはともあれ、ここにきてのドラフト1位右腕の復調は、シーズン佳境の戦いはもちろん、クライマックスシリーズを考えても心強い。広島の残り試合は17試合。大瀬良の今季の登板は2試合ないし、3試合といったところ。ここ数試合の投球内容を見れば、球団史に名を刻む2桁勝利を達成することは十二分に可能だろう。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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