田中将大がメジャー復帰戦で80日ぶりの白星 6回途中1失点の好投で13勝目
スプリット4連投で空振り三振も
2回の田中は先頭のジョンソンを三ゴロに打ち取るが、川崎には144キロのツーシームを右翼線に運ばれる。二塁打でまたもピンチを迎えた。続くポンペイの一ゴロで川崎は三塁に進塁。それでも、田中はゴインズへの初球のカーブがボールとなると、スプリットを4連投。最後は外角低めの絶妙なコースに落とし、空振り三振に切って取った。
3回はゴースを中飛、レイエスを二ゴロ。バティスタを三直と、初めて三者凡退に仕留める。4回はエンカーナシオンへのツーシームが真ん中高めに入ったが中飛。ナバーロはスプリットも右飛に仕留めたが、ジョンソンには死球を与えてしまう。続く打者は川崎。ここで、追い込んでから内角低めの146キロのツーシームで見逃し三振。ボールからストライクになる強烈な「フロントドア」で仕留め、グラブをポンとたたいた。
5回は7番からの下位打線を三者凡退。すべてのバッターに対して初球にカーブを投げる工夫のある配球で三者凡退に抑えた。その裏、2回以降はイチローの2安打のみと沈黙していたヤンキース打線が、待望の1点を奪う。先頭のガードナーがハッチソンから右翼へソロ本塁打を放ち、勝ち越した。
ジーターもタイムリーで援護
5回終了時で田中の球数は61球。70~75球が降板のメドとされていたが、6回も続投した。ブルペンではウォーレンの準備も始まった中でのマウンドで、先頭のレイエスに甘く入った直球を中前に運ばれる。バティスタは二ゴロに打ち取ったが、併殺は取れず。続くエンカーナシオンに投じたスプリットは落ちきらず、右前打とされた。
ここで球数が70球に達し、ベンチから出てきたジラルディ監督が交代を告げる。75日ぶりの復帰戦で好投した田中を、ヤンキースタジアムのファンはスタンディングオベーションで迎えた。後を継いだウォーレンは後続を打ち取り、田中の7月3日以来の勝利投手の権利をしっかりと守った。
ヤンキース打線は7回にジーターのタイムリーで1点を追加。今季限りで引退するキャプテンの一打で、雰囲気は最高潮に達した。マッキャンのこの日2本目となる2ランも飛び出した。
ヤンキースの救援陣はリードを守りきり、5-2で勝利。イチロー、ジーターと2人の役者も花を添え、田中に80日ぶりの13勝目が付いた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count