侍ジャパンが画期的なメディア戦略に着手 野球人気を高める起爆剤になるか

「侍ジャパンが一つのメディアとして積極的に情報を出していく」

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「2014 SUZUKI 日米野球」侍ジャパンインターネットライブ対象試合

 侍ジャパン自らが独自に情報発信を始めた裏には、各世代の代表チームを多くの人に知ってもらうのと同時に野球ファンや競技人口のすそ野を広げる狙いもある。

 侍ジャパンはトップチームだけでなく、社会人、21U、大学、18U、15U、12U、女子というように多くのカテゴリーがあるが、メディアに取り上げられる頻度は世代によって大きく異なる。日本野球機構侍ジャパン事業部の加藤謙次郎氏は「下の世代になればなるほどファンは情報を取れない。こちらがPRしても難しい。そこをいかに伝えていくか。それには編集部を持った方がいいというところから始まった」と説明。「侍ジャパンが一つのメディアとして積極的に情報を出していくことがこれから主流になっていくと思う。今まではメディアの方に報道してもらい、その情報を介してファンに伝えてもらっていたが、今は独自に伝えられる時代になった」と続ける。

 テレビ中継に関しても、すべてのカテゴリーで実施することは困難。それを、今回のインターネット中継を契機に、可能な限り各カテゴリーで実施していくことで、ファンに映像を届けることもできるようになる。それによってコンテンツの価値が高まれば、地上波による中継が実現するかもしれない。加藤氏は「各世代に侍ジャパンがあることを知れば、子どもたちも近い世代の試合を見るようになると思う」と話す。

 侍ジャパンの事業を推進する新会社「株式会社NPBエンタープライズ」も今月7日に設立されることが決まっている。代表チームを強化する一方で、自ら情報を発信し、国内外に競技を普及していこうという試み。侍ジャパンの取り組みが野球人気の向上につながっていくことに期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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