黒田、移籍が現実味 いまだ高評価を受ける右腕が進む道とは

今オフも複数の選択肢が浮上するであろう黒田

 メジャーリーグのフリーエージェント(FA)選手と旧所属球団との独占交渉期間が終了した。ヤンキースからFAとなった黒田博樹投手は3日までにヤンキースから規定額1530万ドル(約17億5000万円)のクオリファイング・オファー(QO)を提示されなかった。これにより、移籍の現実味が帯びてきた。

 過去2年はQOを受けたが、同投手が拒否。規定額を上回る年俸で再契約を結んできた。だが、右腕が来年40歳となること、そして今季途中から加入して先発として安定した働きを見せたブランドン・マッカーシー投手との再契約交渉を優先する方針から現時点での提示を見送ったとみられる。

 ただ、QOを受けなかったことは黒田にとって歓迎すべきことかもしれない。これで他球団はドラフト指名権を譲渡する必要がなくなり、獲得へのハードルは下がった。4日付の米紙ロサンゼルス・タイムズは古巣ドジャースとエンゼルスが「興味を持つかもしれない」と報じており、家族をロサンゼルスに残す黒田にとっても現実的な選択肢となり得る。

 今季チームで唯一、先発ローテーションを守り5年連続2桁勝利となる11勝9敗の好成績をマーク。米CBSスポーツ(電子版)はFA先発投手ランキングの7位に挙げ、「単年で契約できる右腕は魅力的」と高く評価する。上記の2球団以外でも、先発が手薄な複数球団が強い関心を示すことは間違いない。

 また、ヤンキースとの再契約の可能性も残されている。地元メディアによると、ヤンキースは長期の大型契約が必要となるFA投手ビッグ3のマックス・シャーザー、ジョン・レスター、ジェームズ・シールズの獲得に消極的。メーンターゲットとみられるマッカーシーとの交渉を進める見通しだが、再契約が不発に終わった場合、黒田に条件提示をする可能性は十分にある。その場合はペティットが2012年に40歳で結んだ年俸1200万ドル前後が目安となりそう。昨季までと遜色ない成績を残した黒田が、減俸を受け入れて名門球団でのプレーを望むかも焦点となるだろう。

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