パでは6年ぶり なぜ王者ソフトバンクからMVPが選出されず?

昨年のセ・リーグは最下位ヤクルトがMVPを輩出

 投手でもチーム最多勝は11勝の中田とスタンリッジで勝利数リーグ5位タイ。五十嵐やサファテのリリーフ陣の貢献度も高かったが、五十嵐のホールドポイント(救援勝利数+ホールド数)は1位のオリックス・佐藤(48HP)に次ぐ2位の45HP。サファテの37セーブも1位の平野の40セーブに次ぐリーグ2位で、あと一歩オリックス勢に及ばなかった。そのため印象度に欠ける結果となった。

 一方、巨人もシーズン中は「誰がMVPだ」と言われるなど、決め手に欠いたが、こちらは菅野がシーズンの優勝に一番大きく貢献しことと、最優秀防御率のタイトルを獲得したことが追い風になった。

 ただ、昨年はセ・リーグでも、優勝チームの巨人からMVPは選出されなかった。栄冠を手にしたのは最下位ヤクルトからバレンティン。シーズン60本塁打を放ち、1964年の巨人・王、2001年の近鉄・ローズ、02年の西武・カブレラの持つシーズン55本塁打のプロ野球記録を49年ぶりに塗り替えた。巨人選手の成績の印象が薄かったというよりはバレンティンが強烈だった。

 今年もパの金子の印象度が強く、一方でバランスの良さで日本一になったホークスに個人成績でずば抜けた存在がいなかったことが今回のMVP選出につながったと言えそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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