新天地で再び輝くか 広島退団のバリントンが築き上げた功績

来日1年目から結果を残してきた優良助っ人

 110試合、684回1/3を投げて、40勝。これは、広島のブライアン・バリントン投手が、日本在籍4シーズンで積み上げてきた数字だ。広島のローテの一角を、エースの前田とともに4年間にわたり担ってきた右腕は、今季限りで赤ヘル軍団を去ることになった。

 インディアナ州にあるポールステート大学から、2002年のMLBドラフトでパイレーツから全体1位という輝かしい指名を受け、プロとしてのキャリアをスタート。メジャーでは通算26試合で、1勝9敗、防御率5・62とふるわなかったが、日本では1年目から全米ドラフト1位という肩書にふさわしい成績を残した。

 193センチと長身で、140キロ台後半の真っすぐと、スライダー、チェンジアップ、シュート、カットボールを駆使。精緻なコントロールとムービングファストボールによる打たせて取る投球を武器に、来日1年目から活躍。30試合に先発して、いきなり13勝、防御率2・42をマーク。この成績は、その年の前田(10勝12敗、防御率2・46)をも上回るものだった。

 2年目は7勝14敗と大きく負け越し、防御率3・23と数字を落としたが、開幕投手を務めた3年目の13年には再び11勝をあげ、2桁勝利をクリア。球団史上初となるクライマックスシリーズ(CS)出場に大きく貢献すると、阪神とのCSファーストステージ第2戦に先発して5回1失点で勝利投手。ファイナルステージ進出を決める立役者となった。

 一転、今季は苦しいシーズンになった。序盤は順調に勝ち星を積み重ね、6月1日の楽天戦(コボスタ宮城)を投げ終えた時点で7勝4敗。2年連続2桁勝利は確実かと思われたが、ここからが誤算だった。

 同8日のオリックス戦(マツダ)で6失点KOされると、7試合連続で白星なし。8月20日のDeNA戦(横浜)で3回7失点でKOされると、リフレッシュのために登録抹消。復帰した8月31日の中日戦(ナゴヤD)で5回途中4失点で右肘違和感を訴え、降板すると、新助っ人のヒースが好投を続けたこともあって、そのまま1軍のマウンドに戻ってくることはなかった。

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