ドラフト1位から用具担当、CM出演まで 多彩な野球人生を歩む入来祐作氏がソフトバンクコーチに

3軍投手コーチに就任を発表

 ソフトバンク・ホークスは8日、入来祐作氏(42)の3軍投手コーチ就任を発表した。入来氏は2007年に横浜(現DeNA)にテスト入団したが2008年に3試合登板しただけで戦力外に。この年で現役を引退。チームの打撃投手を経て用具担当を務めていた。そして今回、3軍とはいえ、用具担当から投手コーチという異例の“転職”となった。

 入来氏は多彩な顔を持っていた。今年4月にはコーヒー飲料の「BOSS レインボーマウンテンブレンド」のCMに出演。ハリウッドスターのトミー・リー・ジョーンズが宇宙人ジョーンズに扮して、様々な職業に就きながら未知なる惑星「地球」を調査する人気シリーズのプロ野球「用具係」編で味のある演技を見せていた。

 また用具担当以外にもキャンプ地でうなぎの捕獲などをして、たびたびニュースで取り上げられ、話題となった。ファンの中ではうなぎのニュースが届かなくなることを残念がる人もいるだろう。

 96年ドラフト1位で巨人に入団し、先発、リリーフと経験。01年にはチーム最多となる13勝(4敗)の成績を挙げた。その後、日本ハムで2年プレーし、メッツやブルージェイズなど米球界にも挑戦。横浜へと渡り歩いた。9年間で215試合に登板し、35勝35敗3セーブ、防御率は3.77。現役時代より、少し太った姿がグラウンドで見かけられたが、細かいところまで気がつく用具担当としてチームからの信頼は厚かった。

 巨人のドラフト1位というスター街道を歩いた入来氏も、引退後、打撃投手になった際にストライクが入らず、半ば悔しい配置転換で用具係となった。しかし、そこで裏方の苦労、存在の大切さを知り、野球を広い目で見ることができるようになった。今回は、人として野球人として深みの増した入来氏を、巨人、横浜時代からよく知る工藤公康監督が起用に踏み切ったとされている。

 入来氏は宮崎県出身で、地元九州で初のコーチを務めることになる。入団会見は12日に行われる予定。ソフトバンクは九州を中心に育成契約で選手を多く獲得しており、新たな野球人生の一歩を踏み出す入来氏の手腕が注目される。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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