工藤新監督が打ち出す投手力強化 「1軍投手枠」をかけた争いの行方は?

理論派・工藤監督の目指すチーム作りとは

 工藤流の一端を、うかがわせた。11月13日、ソフトバンクの秋季キャンプが行われていた宮崎・生目の杜運動公園に、工藤公康新監督の姿があった。多忙の合間を縫って、弾丸での日帰り視察。ユニホームはなく、スーツの上に球団のジャンパーを羽織った姿。コーチ陣との意見交換や採寸などでせわしなく動いていたが、それでも、ブルペンに入ると、指導に熱がこもった。

 球界きっての理論派と言われる工藤公康新監督が、いかなるチームを作り出すのか。来季のプロ野球の注目のポイントだろう。その方向性を、就任会見では「投手の部分をしっかり考えたい。摂津君を脅かすではないが、そういう存在の投手を作らないといけない」と、投手出身らしく、投手力の強化をテーマに掲げている。

 それでは、工藤監督が掲げる「エース摂津を脅かす存在」とは。その候補となり得る存在はいるのだろうか。

 そこで、前述のキャンプでの指導シーンだ。このときは、ブルペン入りしていた同じ左腕の山田大樹に熱視線を送り、身ぶり手ぶりを交え、鉄パイプのイスまで持ち出し体重移動や下半身の動きを教え込んだ。

 山田は06年の育成ドラフト1巡目でソフトバンク入り。10年に支配下登録されると、5年間で1軍で64試合に登板。12年に8勝を挙げるなど、通算22勝をマークしている。

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