5人の新監督で成功を勝ち取るのは? それぞれの注目ポイント

大久保監督の打撃理論で開花する選手は現れるか

 ヤクルト新監督の真中満監督は現役時代は外野手。ヤクルトの外野手は今季は主にバレンティン、上田、雄平が務めた。比屋根らもいるが、すでの自分たちの居場所を確立しつつある。来季、監督としてチャレンジを始める真中監督と同様に、新境地に挑戦する男がいる。セカンドが本職の田中浩康だ。

 ベストナインを2度も受賞する名二塁手として鳴らしていたが、山田の台頭もあり、出場機会が激減。来季からは外野手に挑戦することになった。不慣れなポジションのため、先輩の青木宣親に助言をもらうなどして挑戦しているが、成功するかはわからない。勝負強い打撃と堅実な守備で他球団の投手から恐れられる存在だった田中の復活を真中監督の手腕が後押しするか、注目だ。

 楽天は大久保博元監督の打撃理論で開花する選手が現れるか――。大久保監督就任には賛否両論あったといえ、球界の中では大久保監督の打撃指導を評価する声も多い。特に長距離打者への助言は的確と評判だ。

 たとえば西武のコーチ時代、不振に陥ったおかわりくんこと、中村にミートポイントを前にさせる助言を送ったことがあった。渡辺久信監督が、量産する三振にも目をつぶったことで眠っていた才能がさらに開花。46本塁打を放ち、ホームラン王を獲得。我慢して起用した渡辺監督と助言した大久保コーチが中村の活躍を後押しした。

 楽天は主力野手が高齢化しつつある。次世代の選手の台頭が待たれる。投手では釜田や森、松井裕、今年のドラフト1位の安楽など有望株が入っている。野手でも星野仙一前監督も「期待している」と名前を挙げた松井裕と同期の内田靖人という期待の高卒2年目がいる。

 常総学院では強肩強打の捕手として甲子園に出場。打撃は超高校級であることから右の大砲として期待。楽天入団後は三塁手としてプレー。シーズン終盤には1軍も経験した。1軍の投手のレベルに歯が立たず、本来のバッティングを見せることはできなったが、自身も長距離砲だった大久保監督は中村の時のように、内田を楽天のホームランアーチストとして覚醒させることができるか。

 あと1か月半もすれば2015年の春季キャンプも始まる。新監督たちがユニホームを着て、次世代の選手たちにどのような指導をしていくのか。そして育てた選手とともに飛躍してくことができるのか、来季の始動が楽しみだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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