黒田博樹の広島復帰決断に影響? ヤンキース伝説の左腕が送った助言とは

黒田と同じように余力を残しながらメジャーを去ったペティット氏

 2004~06年に在籍したアストロズとの敵地での一戦は、9回5安打1失点と圧巻のピッチングを見せ、2-1で完投勝利。長年、ヤンキースの先発ローテーションを支えた左腕の有終の美は、黒田の目にも焼きついていた。

 黒田自身も常々「お手本」と語っていたペティット氏は去就に迷う後輩にアドバイスを送り、自らの引き際に関しては「完全に満足している」と言い切ったという。

 現役時代にはジーター、マリアノ・リベラ、ホルヘ・ポサダとともに「コア4」と呼ばれ、黄金時代を支えたペティット氏。すでに伝説的存在となりつつあるが、キャリア最終年も11勝11敗、防御率3.74と活躍し、その数字は黒田の今季成績と酷似している。

「一つ言えることは、けがをせずにシーズンを通じてローテーションを守れたことが、唯一満足できたと言えること」

 ヤンキース最後のシーズンをこう総括した黒田は、今季32試合に先発し、11勝9敗、防御率3.71。故障者続出のヤンキース先発で唯一、ローテーションを守り続けた。来季もピンストライプの名門で大黒柱となれる実力を維持しており、他球団からのオファーも伝えられるほどだった。

 余力を残しながらメジャーから去った先輩の「完全に満足している」という一言に近い心境に、7年間のメジャー人生を過ごした黒田もたどり着けたのだろうか。それとも、「完全に満足している」という気持ちを今後、プロのキャリアをスタートさせた広島で感じたいのだろうか。ペティット氏のアドバイスが、日米を驚かせた黒田の決断に何らかの影響を与えていたことは間違いないだろう。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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