黒田博樹の“男気伝説” 広島復帰を決断した右腕が米国でも見せた心意気

男気溢れる勇姿が来季は再び広島で見られる

 すべてのピッチャーの胸の内を代弁するかのような怒り。ベンチに戻りかけていた黒田は、鬼の形相で審判に向かって日本語でまくしたてた。ヤンキースのジョー・ジラルディ監督も「ヒロ(黒田)のあんな姿は見たことがないよ」と驚くほど、感情を爆発させた。

 チームメートに対する気遣いも男気に溢れている。黒田はクラブハウスなどで、胸に日本語で「氣」と書かれたトレーニングシャツを着用している。契約するメーカーが黒田のために作ったもので、横には「雪に耐えて梅花麗し」の文字も刻まれている。「梅の花は、寒い冬を耐え忍ぶことで、春になれば一番麗しく咲く」という西郷隆盛が詠んだ漢詩の一節で、「苦しまずして栄光なし」の意味を持つ。右腕の座右の銘だ。

 このトレーニングシャツをチームメートのフランシスコ・セルベリ、プレストン・クレイボーンらから「欲しい」と言われると、自分と同じようにそれぞれの背番号を入れてプレゼントした。喜んだセルべリはクラブハウスや記者会見の場でも着用し「彼(黒田)はいつも僕を気にかけてくれる」と男気にほれ込んでいた。

 メジャーの舞台でもグラウンド内外で男気を見せてきた39歳の大ベテラン。今回の復帰劇は「このままメジャーで現役を引退するのか」という広島ファンの思いを、いい意味で裏切った。男気あふれる勇姿が、来季は再び広島で見られる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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