阪神残留を決めた鳥谷敬にメジャー契約のオファーはなかった?

成功例の少ない日本人内野手、メジャーの評価は厳しい?

 ブルージェイズのアレックス・アンソボウロスGMは、地元メディアグループ「スポーツネット(電子版)」で鳥谷について「我々は少しだけ彼を調査していた。彼のことを評価しているスカウトもいる。クラブ内で議論している選手であることは間違いない。それ以上のことは何もないが、間違いなくチームにフィットする選手だよ。代理人と会談を持ったことは間違いなく事実だ」と語っていた。

 だが、アスレチックスとのトレードでジョシュ・ドナルドソン内野手、さらにパイレーツからFAとなっていたラッセル・マーティン捕手というオールスタークラスの実力者を次々と補強するなどマーケットで積極的だったブルージェイズも、鳥谷に対する動きは興味止まりだったという。

 さらにメッツに関しても、「タカシ・トリタニが2015年日本残留」と伝えた地元紙「ニューヨーク・デイリーニューズ」が記事の中で「メッツが今オフの初めに注目したが、最終的に興味を持たなかった日本の遊撃手、タカシ・トリタニは阪神タイガースに残留することになると、球団が金曜日に発表した」と言及し、鳥谷に対する興味が薄かったことを示唆している。

 鳥谷に興味を持っているとされていた3チームからは、いずれも正式オファーはなかったと地元メディアが伝えている。代理人と各球団の交渉はあったはず。だが、日本球界最高の遊撃手という評価を集める鳥谷をもってしても、阪神残留を決めた段階では、正式なメジャー契約のオファーが届いていなかった可能性が高い。

 レンジャーズのダルビッシュ有投手、マリナーズの岩隈久志投手、レッドソックスの上原浩治投手、田澤純一投手、そしてヤンキースの田中将大投手らが活躍している日本人ピッチャーは、MLBで絶大な評価を手にしているが、成功例の少ない日本人内野手に対するメジャーの評価は厳しいようだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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