得点力を効率よく高める補強をしたチームはどこ?(セ・リーグ編)

目に見えて層の厚い阪神と巨人

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wOBAと打席数で見る阪神と巨人の攻撃力構造

 阪神は本拠地の甲子園球場の特性から得点はあまり入らなかったが、攻撃の内容はかなり優れていた。構成としては主軸が打席数とwOBAをしっかり稼ぎ、一方で捕手が小さくないギャップになっている。

 補強はないがMLBを目指した鳥谷敬が残留したこともあり攻撃力は維持されそうだ。2014年はケガで46打席の出場に終わった西岡剛(wOBA.346)の生かし方次第で攻撃力はさらに上がる可能性もある。新井良太、上本博紀、今成亮太らの出来を見ながら、うまく起用できるか。

 巨人は対照的だ。主軸の攻撃力で迫力を欠いていたが、捕手を務めた阿部慎之助と小林誠司が平均レベルの攻撃力を発揮したため、捕手のポジションでギャップはつくらずに済んだ。

 攻撃の継続性が生まれやすい戦力であることがうかがわれ、飛び抜けた強打者がいなくなった巨人が最低限の得点力を維持できたのは、このあたりも影響していそうだ。

 2015年は阿部が一塁に回るため小林の打席は増えるだろう。その際、平均レベルの攻撃力を保てれば、巨人は引き続き大きなギャップのないラインアップを組むことができ、2014年程度の得点は望めるかもしれない。それが叶わなければ、他の多くのチームと同じ捕手にギャップを抱える構成で戦わねばならなくなる。常に優勝を狙えるような攻撃力は、望めなくなるかもしれない。

【パ・リーグ編はこちら】

【了】

DELTA・Student・秋山健一郎●文  text by DELTA Student AKIYAMA,K.

DELTA プロフィール

DELTA  http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える セイバーメトリクス・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『Delta’s Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。今年も『セイバーメトリクス・リポート4』を3月に発売。今回参考にしたStudent氏の分析は同書に収録される。

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