MLBの更なる繁栄へ 新コミッショナーが見据える「未来」とは

次世代のスターも重要な存在、「未来」へ向けて富を還元していくマンフレッド氏

 では、老若男女を問わずファンを増やすためには、どうしたらいいのだろうか。それにはやはり、幼い頃から野球が身近にある存在として記憶されることがカギになる。子供たちが憧れるようなスーパースターの存在は不可欠だし、少しでも多くスーパースターたちと触れ合える機会があれば、さらに興味や好奇心をかき立てられるだろう。

 コミッショナーは手紙の中で、子供たちの手本となるスターとして、アンドリュー・マカッチェン(パイレーツ)、バスター・ポージー(ジャイアンツ、ジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)、マイク・トラウト(エンゼルス)、マディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)、フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)、クレイトン・カーショー(ドジャース)の名を挙げている。メジャーリーグの顔だったデレク・ジーターの引退後、メジャーリーグの広告塔となるべき次世代のヒーローたちを、聞こえは悪いかもしれないが、どうやって使っていくかが今後の課題となるだろう。

 前コミッショナーのセリグ氏は、22年間の在任中にメジャーリーグを一大産業へと発展させた。そのおかげで、各球団がテレビ局と結ぶ試合の放映権料は前代未聞の高額となり、現役選手の年俸も天文学的な数字になっている。それに伴い、MLBの歳入も年々増加の傾向にある。セリグ氏が「今」の充実・発展に尽力したとすれば、それを引き継いだマンフレッド氏は「未来」に向けて富を還元していく心づもりだ。

「野球は子供に愛されるスポーツだ」が持論の新コミッショナーが、具体的にはどんな形でマニフェストを実現させていくのか。お手並み拝見といきたい。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

佐藤直子 プロフィール

群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY