イチローとマーリンズの契約交渉の裏側 「電話会議」と「特別な4番目」

イチロー加入で整った戦力「ワールドシリーズを再び制覇する時がやってきた」

 イチローの代理人のボッグス氏もその事実を認めている。

「確かに打席が減るのでは、という懸念はできる。でも、実際のところはマイク・レドモンド監督は彼をできるだけアクティブにし続けるだろうし、彼にアクティブにするとも(直接)説明している。彼らの示した熱意というのは単なる4番目の外野手ではなく、すごく特別な4番目の外野手に示したもの。そして、その外野手は打席数を熱望していることをチームは理解している」

 “第4の外野手”という言葉の響きは、決していいものではない。だが、多くの人が思っているよりも、イチローが実際に打席に立つ回数は多くなりそうだ。もちろん、メジャー最強とも評価される平均年齢24歳の外野トリオの誰かが不振に陥ったり、怪我などのアクシデントに見舞われる可能性もあるだろう。

「我々はイチローがマーリンズのユニホームを着てくれるという夢が現実になるなんて思ってもいなかった。彼を加えることで、最も層が厚く、最もクリエイティブで、最も才能に溢れたロースターができると考えた。究極的に嬉しいよ。彼ほどのクオリティの選手が獲得可能で、代理人とはコンタクトを取り続けた。実現できて嬉しい」

 ヒル氏は改めて今回の補強について満足げに語った後で、イチローを加えたチームの目標を明確に掲げた。

「ワールドシリーズを再び制覇する時がやってきたと思っているんだ」

 すべてが順調に行けば、マーリンズはイチローにとって理想的な環境となりそうだが、果たしてどうなるだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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