「見返すというよりも……」 巨人入団の堂上剛裕が秘める古巣中日への思い

昨年オフ中日戦力外で巨人育成入団、異例の1軍スタートで輝き放つ堂上

 限られたチャンスをものにしている。キャンプで原監督が「一番、光っている」と評したのが、昨年オフ中日を戦力外となり、巨人に入団した堂上剛裕外野手である。

 背番号「014」をつける育成選手。レギュラー争いが熾烈な巨人外野陣、加えてFAで横浜DeNAから金城龍彦が入り、左の代打の枠も厳しいと言われている。昨年、所属した中日には左の代打に小笠原道大が加入。守備に不安があるため、代打屋として仕事をしてきたが、巨人からやってきたベテランに出場機会を奪われ、昨季わずか6試合の出場に終わった。5回しか打席に入れず(1安打、3三振、打率2割)、オフに中日から放出された。

 育成選手のキャンプ1軍というのは、異例のケースと言える。今回は1軍クラスの長野久義、レスリー・アンダーソン、矢野謙次がそれぞれ手術明けで2軍スタートとなった。新戦力とあり、1軍に置いて首脳陣がその目で見たいというのが抜擢の理由の1つでもある。

 打撃は本当に力強い。フリー打撃でもキャンプ序盤から外野フェンスを簡単に超える大きな当たりを放ち、紅白戦でも5割以上のアベレージを残した。1度、所属を失った選手は野球に飢えている。オフもほぼ無休でバットを振ってきた。他の選手が調整ととらえるキャンプだが、堂上はもう後がないとばかりに「1球、1球に全力を注いでいます」と悔いのないようボールを打っている。

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