緒方監督も驚く、メジャー経た黒田の投球 本人と周囲が手応え示す球種とは

昨年のヤンキースキャンプではカットボールの“再習得”に取り組んでいた

 このカットボールは、昨年のキャンプで黒田が“再習得”に力を注いでいた球種。ドジャース時代には使っていたが、ヤンキースに移籍した後の2012、13年にはほとんど投げることがなかった。投球フォームなどを毎年、改良する中で「安定しなかったのが一番」と本人は原因を明かしている。

 だが、黒田の大きな武器であり、ピッチングの軸となっているツーシームと逆の変化をするため「対極の球として必要」と昨年のキャンプで39歳にして“再習得”に着手。1度は投げられなくなったボールについて、当初は「全然ダメですね」と話し、特にシーズン序盤は使う場面も少なかった。

 昨年のキャンプでは、やや苦しんだ印象もある球種。だが、日本に戻り、ボールが変わったことなども影響しているのか、ここまでは好感触を得ている。野間は、登板後の黒田にカットボールの軌道や曲がり方がどうだったかを聞かれたという。本人も、この球種が鍵となると感じているようだ。

 この日のフリー打撃ではツーシーム、カットボールの割合が多く、直球は4球のみ。メジャーでは、手元で動くボールは同じ「速球系(ファストボール)」というくくりに入るため、黒田自身も「僕自身はツーシーム系は変化球だと思っていない」と話す。日本に戻り、「動かない」直球が増えることは間違いないが、やはり投球の軸は手元で動くボールになる。

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