黒田博樹の完全投球に相手打者ビビった 「初めて見た。すごい軌道」

杉村コーチ「思ったよりもボールが重い。さすがメジャーで7年やってきたことはある」

「無駄な球が全くなかった。低めへのスプリットが真っすぐに見えて沈む感じがした。ちょっと落ちるので、内野ゴロにされてしまう。あの球に気をつけないと」

 絶妙に制球された沈むボールの印象について、こう川端は語っている。

 ただ、研究熱心で向上心を失わない黒田は、開幕までにさらなる進化を遂げる可能性がある。本人は、日本の柔らかいマウンドに変わったことを気にしており、登板後には「またもう少しフォームも変えてやっていかないと。次に向けてもう少しいいボールを増やしていきたい」と話している。

 広島とヤクルトは開幕3連戦(3月27~29日、マツダ)で激突する。黒田も先発することが予想されているが、川端は「今日と開幕ではまた違うと思う。もっとすごい球を投げてくるはず」と警戒を強めた。

 あまりにも完璧な投球は、完全に“想像以上”の内容だったようだ。キャンプから黒田を視察していたヤクルトの衣川スコアラーは「外国人投手よりもレベルが高い選手。昔のイメージに近いくらいの力強い球を投げ込んでいた」と話す。米国でツーシーム主体の投球スタイルに変化し、年齢も40歳となったが、剛球を投げ込んでいた8年前とボールの力は変わらないと見えたようだ。杉村打撃コーチも「思ったよりもボールが重い。さすがメジャーで7年やってきたことはある」と印象を明かした。

 パーフェクト投球の衝撃は大きい。開幕へ向けて、ヤクルトだけでなく全球団が攻略を目指し、さらに研究を進めていくはずだ。それでも、経験豊富な右腕は“黒田包囲網”をかいくぐってしまうのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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