巨人、開幕4番は誰に? 「キューバの至宝」セペダが期待される理由

原監督の指導にセペダも感謝、「タイミングの取り方を教えてもらった」

 原監督はバッティング練習中にフォームの指導を行っている。「キューバの至宝」と言われるほど完成された選手に対して周囲が大きく何かを変えようと働きかけるのは難しいもの。だが、セペダは「タイミングの取り方を教えてもらったよ」と感謝し、時間が許す限り、反復練習に取り組んだ。それも一心不乱に。

 とにかく練習をする男である。原監督も「セペダもだいぶ本来のスイングが出来てきている。少し矯正した練習をして、それがいい方向にいっている感じがする」と変化を感じ取っている。

 勤勉な姿は他のシーンでも目にする。昨年、不振の時期に走り込みを命じられた。他の2軍選手も同様に走っている通常メニューだ。実績のある外国人選手は嫌がってやらないか、嫌がりながら意義を感じずにただ走るか。3年前のマシソンのように「日本ではこんなに走るとは知らなかった。これがいい投球につながるならば進んでやる」と新たな取り組みとして前向きに臨むケースもあるが……。

 セペダはそのどれにもあてはまらなかった。同選手の中では走り込みは「当然のこと」という認識。キューバの野球も日本と同じで、走ることを基本にしている文化だった。幼少期から走り、一流になっても走ることはやめない。このようにして、下半身を鍛えてきた。

 昨年は期待されながらも打率1割台と低迷した。その印象もあり、過度な期待をしている人は少ない。ただセペダの復活を期待する原監督は4番に据え、本人も巻き返しに必死である。4番が決まらない巨人ではあるが、約10日後に迫った開幕では、セペダがこのまま好調を維持してその座をつかむのか。それとも阿部や村田、高橋由ら日本の4番を経験している3選手になるのか。巨人の「4番」争いから目が離せない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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