【パ×Full-Count】今年も人気アニメとコラボ なぜ西武はアニメ界とタッグを組むのか

中村剛也が声優を務めたことも、「1試合1000~3000人程度動員が増えている手応え」

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埼玉ユニ、ホームユニを着たクレヨンしんちゃん (C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK (C)SEIBU Lions

「アニメとのコラボを始めたのは、当時大人気だった野球アニメ『おおきく振りかぶって』とのタイアップイベントを行ったのがきっかけです。このアニメは埼玉県を舞台にしていて、大宮球場もよく登場していたこともあり、県営大宮球場で行いました。声優さんに来場してもらい、多くのファンの方でイベントは大盛況に終わりました。我々の地域性というバックボーン、そしてこのイベントの成功で、ある程度の手応えを掴むことができました」

 以降、ライオンズは多くのイベントを開催するようになる。2011年に『クレヨンしんちゃん』の主人公、のはらしんのすけが一日応援団長として来場、これは毎年継続されている。逆にアニメの中へ中村剛也が登場し、本人が声優として出演する演出もあった。その他、『らき☆すた』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『ヤマノススメ』など、一世を風靡する人気アニメとのコラボレーションを次々と開催していく。

 ただ単に、アニメとのコラボを行っている訳ではない。この戦略のコンセプトは、普通のタイアップではなく、沿線や地域との接点があること、野球というスポーツに接点があることにある。ライオンズが存在する地域において特徴的な“アニメ”だからこそ、大きなシナジーが生まれる。

 イベントを行ってきた効果について佐々木氏は「それぞれのコンテンツのファンを中心に、1試合1000~3000人程度動員が増えている手応えを感じています。ただ、単発の動員が増えることだけを目的としている訳ではなく、こうしたイベントを来場のきっかけとして、その中の何割かがライオンズに興味を持って頂ければと考えています。結果として、それが埼玉県や沿線地域の価値向上に繋がっていくとも考えています」と話した。

 埼玉西武ライオンズが行っている興味深い戦略は、認知度が高まってきたことでリピーターや新たなコンテンツコラボ先を呼び込む好循環を生んでいるという。今季は、どんなチャレンジを見ることができるのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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