男気あふれる41歳の恩返し 中日・小笠原が見せる“サムライ”の生き様

代打成功率は驚異の10割、広島戦で技術と執念が詰まった一打

 代打の神様と呼ぶにふさわしい存在感だった。

 5日の広島戦で移籍後初のサヨナラ打を放ち、チームを5年ぶりの6連勝に導いた中日・小笠原道大内野手。延長12回1死満塁、外角低めのボールに体勢を崩しながら、左前に運んだ。通算2108安打の技術と執念が詰まった一打だった。

 これで今季は代打で3打数3安打2打点、1四球。成功率は驚異の10割だ。昨季も代打で球団記録に並ぶ6打数連続安打をマークするなど、比類なき勝負強さを見せている。

 中日にFAで移籍したのは一昨年のオフ。日本ハム時代から師弟関係にあった落合博満GMの就任直後だった。移籍に際し、2人の絆が少なからず影響したことは確かだろう。ただ、巨人での最後の3年間、出場機会に恵まれず、かつての師の下、新天地で再起を図る。小笠原はそうしたストーリーで語られることを嫌う。

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