復調? 制球難? 不安定? 今季初勝利の田中将大への米国内の評価は?

「再上昇」も「タナカの右肘にまつわる議論が消えることはないだろう」

 ヤンキースの田中将大投手が、12日(日本時間13日)のレッドソックス戦に先発し、5回4安打4失点(自責3)、4奪三振、3四球、1本塁打で今季初勝利を挙げた。試合はヤンキースが14-4で大勝。開幕戦の投球内容を厳しく批判した地元メディアは、苦しいピッチングながら待望の白星を手にしたエースをどう評価しているのだろうか。

 MLBの公式サイトは「ヤンクスがバックホルツを打ち込み、タナカのソックス戦勝利を援護する」との見出しで特集している。小見出しでは「タナカ、再上昇」として、敗戦投手となった6日の開幕ブルージェイズ戦からの復調を評価した。

 寸評では「タナカの右肘にまつわる議論は日曜日のまずまずなピッチングで小さくなるだろうが、消えることはないだろう。開幕戦よりも速球を活用した。97球のうち、フォーシーム(直球)は25球でツーシームは23球だった」とし、開幕戦はわずか6球だったフォーシームが激増していたと指摘している。

 その一方で「打者を攻撃することに躊躇している」と厳しい見方も示している。

「まだ去年の彼には達していない」

 一方、ESPNは「タナカ、復調……」と小見出しで速報した。勝ち星は手にしたが、昨年7月の右肘靭帯部分断裂までの圧巻のピッチングをマウンド上で見せることはできなかったとしている。

 寸評では「まだ去年の彼には達していない。1回の7点リードを手にした田中は3回までレッドソックスを支配下に置いたが、制球難とお粗末な守備で4回に3失点(自責2)。ハンリー・ラミレスは5回に投げそこないのスライダーをヤンキースのブルペンまで運び、木っ端微塵に打ち砕いた」と厳しく指摘した。

 二塁手ドリューと遊撃手グレゴリアスの拙守でダブルプレーのチャンスを逃した不運に触れながらも、快投を続けた昨年のパフォーマンスには戻っていないとしている。さらに、この日はフォーシームで1度も相手の空振りを奪えなかったことを紹介。「らしからぬ3四球も出した」と制球に苦しんでいたことにも言及した。

 地元メディアの間では、急速低下や右肘への懸念などネガティブな話題が集中している田中だが、今季初勝利を手にした。

 また、地元紙デイリーニューズは速報で「レッドソックスに14-4で快勝した中、アレックス・ロドリゲスとチェース・ヘドリーがヤンキースの攻撃陣にパワーをもたらすが、マサヒロ・タナカは依然不安定」と辛口な見出しで特集している。次こそ、胸をすくようなピッチングで疑問の声を封じ込めたいところだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY