今季20安打中13本が流し打ち 攻略困難な巨人・井端の職人芸

周りが真似できない職人芸、井端の右打ち

 広島投手陣からすると、顔も見たくない相手だろう。巨人のベテラン・井端弘和内野手がまたカープにダメージを与えるヒットを打った。

 21日に前橋・上毛敷島球場で行われた一戦。まずは2回裏だ。先発・大瀬良大地の初球を狙い、ライト前へ痛烈なヒットを放った。続く村田修一は二塁打。さらに實松一成のショートゴロの間に先制のホームを踏んだ。大瀬良と井端は4月7日、マツダスタジアム以来の対戦だった。0ー1の9回1アウト三塁から、井端は起死回生の同点タイムリーをライト前に放っている。その試合で巨人は勢いづき、延長戦で逆転勝利を飾った。

 両者にそのイメージは残っていただろう。大瀬良は前回、外角の直球を投げ、いとも簡単に右方向へ運ばれた。今度こそ、と投げ込んだのは真ん中より内角に近いボール。しかし、井端はきっちりと今回も逆方向へと運んだのだった。巨人先発も大瀬良と前回投手戦を演じた杉内俊哉。先制点が重要な試合のポイントとなっていた。

 井端のバッティングは7回でも威力を発揮する。一時、巨人は5点のリードがあったが広島の猛追にあい、2点差に迫られた。2アウト一、三塁から九里の外角直球をまたもライト前に弾き返し、追加点を挙げた。これで試合が決まった。

 右方向へ打つと分かっていながら、バッテリーは打ち取ることができない。打球が来ると分かっていて、内野手も一二塁間を狭めても、その間を強い打球が抜けていく。守備隊形によっては緩いゴロや高いバウンドでライトへ運ぶこともある。真似できない井端の職人芸である。

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