黒田博樹の「不運」を検証する 右腕はなぜ援護に恵まれないのか

援護率は投手の「能力」に関係する? それとも……

 グラフを見ていると、「黒田投手の投球に、援護に恵まれない何か理由があるのでは?」という気もしてくるが、その前に援護率の性質を紹介しておきたい。

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「打線の援護(援護率)」の性質

 図は援護率の年度をまたいだ相関(年度間相関)と、援護率と奪三振、与四球、外野フライの数等から算出した投手の基礎能力指標・xFIP(Expected Fielding Independent Pitching)の関係性を示したものだ。

 使用したデータは2002年から2014年までのMLBで100イニング以上の登板記録のある投手(延べ1720人)の援護率とxFIPとなる。

 援護率の年度をまたいだ相関(左図)は、同じ投手の連続する2年の援護率を1つのセットとしてデータを整理し、その関係性を確かめたものだ。

 前年高い援護率を記録した投手が、翌年も高い援護率を記録する(シーズン間の成績の安定性がある)という傾向があれば、散布図は右肩上がりに細長く広がることになる。だが、この図にはそうした傾向がうかがえない。

 2つの数字の関係性を計る相関係数は0.16と出ている。これは2つのデータの間に一定の関係性がほぼなく、ある年の援護率が高かった場合、翌年も再び高くなるといった傾向が見られないことを意味する。

 援護率とxFIPの関係もほぼ同じような傾向だ。投手が良いピッチングをしようとしまいと、援護率がどのような値になるかは、ほとんどランダムであることを示している。(相関係数は0.10)

 このような数字は、投手が自らの資質・能力でコントロールできない数字とみなされる。つまり援護率は、投手がコントロールできない、何か別の要因によって決定されている数字と考えるのが妥当ということになる。

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