パ・リーグ&富士通が手がける革新 野球の“未来型視聴スタイル”とは

動画認識との親和性が高い野球、広がる可能性

――ということは、選手一人ひとりの特徴を見つけていくということですか?

「今回は、野球中継カメラの映像を使いました。ここである程度認識を行って、“それが投球動作である”という情報を取り、そのシーンに対してタグを付けていきます。パ・リーグさんは“パ・リーグデータ”という1球ごとの情報を作られていて、それと映像を紐付けていきます。1球情報と動画のタグを紐付けておけば、例えばこのバッターの何球目、という指定を行うと、その映像が一発で出てくることになります。

 色々間違う要素もあるんですが、1球ごとのイベントデータが間違っていなければ、投球に関しては95%くらいの精度で認識できます。イベントデータは1球ごとに出てきますから、いきなり2ボールから始まったら野球としてはおかしいので、そういう形でエラーも取得していけます。野球は常に投手の投球からイベントが始まりますから、動画認識との親和性は本当に高いと思います」

――近未来の展望について教えてください

「動画認識と、スポーツをシーンごとに見るというサービスに関しては、凄くマッチしていると考えています。こういうノウハウや技術を経験できれば、他のスポーツでも応用ができると思います。ベースの技術、ベーシックな画像処理は完成されている技術なので、それをいかに磨き、サービスに合わせてチューニングしていけるか。それがいまのフェーズですね。もちろん、何でもかんでもすべての動画を認識して、検索できるようにするには途方もないコストが掛かりますから、上手く動画とサービスの側とで、一番良いラインを見つけて行ければいいと考えています。

 今回、パ・リーグTVさんと連携したのは投手と野手の対決に絞りましたが、野球はイベントデータと合致させるのが容易なので、守備面、例えば補殺だけを検索する、などという使い方も可能です」

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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