イチローが球史に名を刻んだAT&Tパーク 脳裏に刻まれた意外な記憶とは
「覚えているのは、あの打球がスタンドに入らなかったこと。ある意味ショックでした」
5回1死の場面で、イチローはライトへの長打を放った。イチローも尊敬するケン・グリフィー・ジュニアが、特殊な設計になっているAT&Tパークのライトフェンスを直撃したクッションボールの処理に手間取る隙に快足を飛ばし、ランニングホームランで2打点を挙げた。
イチローは「覚えているのは、あの打球がスタンドに入らなかったことですね。ある意味ショックでした。結果的に思い出深い経験になったのですが、あの時はスタンドに入らなかったことが衝撃でした」と同紙の取材に対して語ったという。
イチローはキラ星のスターが並ぶオールスターで3打数3安打2打点と活躍し、ア・リーグ選抜の5-4での勝利に貢献。オールスターMVPに選出されている。
AT&Tスタジアムはピッチャー有利な球場として知られている。オールスター史上唯一のランニングホームラン、そして、日本人初のMVPという栄誉と記録を刻んだサンフランシスコだが、最大の記憶はホームランを確信した当たりがフェンスを越えなかったこと。日々、技を磨く崇高なプロ意識を貫く求道者イチローらしい思い出だった。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count