日本はMLBに倣う必要がある? 危険な本塁クロスプレーは禁止されるべきか

野口氏も激しい接触プレーを経験、慢性的な腰痛の原因となったプレーとは…

 ただ、日本は違う。本塁でのクロスプレーについて、明確な規定はない。明らかなラフプレーについては守備妨害を認められる場合もあるが、逆に、捕手が完全に走路をふさぎ、強烈なブロックで生還を阻む場面も多く見られる。野口氏は「禁止にしないんであれば、しょうがないですよ」と話す。

 野口氏も、現役時代には激しい接触プレーを経験してきた。

「ルーキーイヤーだったので1990年ですね。2軍の試合でしたけど、西武第2球場で、当時西武にいたバンバークレオが突っ込んできて。高い送球だったんでジャンプしたんですけど、そこで突っ込まれて3メートルくらい飛ばされたんですよ。『うわ、こんなのありなんだ、プロ野球って』と思いましたよ。

 その時は、味方ベンチから『コラっ!』てやってくれるのかと思ってたんですよ。そしたら、何にも言わなんですよね。それで、『あ、普通なんだ』と思って。よくよく色んな人に聞いたら『メジャーリーグではやるんだよ。普通なんだよ。外国人は来るよ。気をつけろ』って言われたんです」

 プロ1年目で経験した強烈なワンプレー。これが考え方の基本となったという。野口氏は「だから、僕は引退するまであれをやられたところで怒らないし、そういうもんだと思ってやってましたよ」と明かす。

 その後も何度も“痛い思い”をした。

「何人もやられました。(西武などで活躍した)アレックス・カブレラや、当時ダイエーにいたメルビン・ニエベスにもやられてます。彼(ニエベス)に僕の腰痛の原因を作られたんです。彼にドンとやられて、上に乗っかられたんですよ。それで骨盤が開いてしまって。それから骨盤が歪んでしまって、腰痛がいまだに治らない。でも、別にその時にもニエベスにどうのこうのいう思いはないですからね。来るもんだと思ってましたから」

 現状のルールでは仕方がない。野口氏はあくまでそう考える。「(捕手にベースを)隠されたら、そう(タックル)するしかないじゃないですか」。接触プレーでは、基本的に捕手が犠牲者と見られる。しかし、ずっと体を張って本塁を守ってきた野口氏は、どちらの責任でもないと指摘する。

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