天国の恩人に捧げたウイニングボール 中日・若松が踏みしめた確かな一歩
谷繁兼任監督も認める右腕
谷繁兼任監督にとっても、思い入れのある選手だ。監督に就任した2013年のオフ。若手主体で参加していた宮崎フェニックスリーグを視察した際、初日に足を運んだブルペンで最初に投球練習を行っていたのが若松だった。
さらにその直後。指揮官として初めて行った紅白戦に先発し、好投。こちらも初めての監督賞を贈った相手が、当時18歳の背番号61だった。
決してまぐれの好投ではない。
今季初登板は4月18日の広島戦。勝ち星こそつかなかったが、6回1失点で黒田と互角に投げ合ってみせた。その後も大崩れすることなく、ローテーションの谷間をしっかりと埋めてきた実績がある。
中日の先発陣は吉見の登録抹消もあり、盤石ではなく、今後もローテに入る可能性は高い。名スカウトと名捕手が認めた無印の右腕のシンデレラストーリーが、ここから始まるかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count