日本を去ると決めていた――プロ初勝利を挙げたロッテ・チェンの“恩返し”

ラストチャンスのつもりで入団テストに臨んだチェン、「ロッテは最高」

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マリーンズの入団テストに合格できなかったら、日本球界を去ると決めていたチェン【写真:長谷川美帆】

 プロ初勝利を見事達成したチェンには、もうひとつの目標がある。それは、“チームへの恩返し”。

 マリーンズの入団テストに合格できなかったら、日本球界を去って台湾で野球をすると決めていた。古巣のユニフォームを着て、ラストチャンスのつもりで臨んだ2日間の入団テスト。あのときの気持ちと、野球を続けられることへの感謝。自分を受け入れてくれたチームに貢献したいという思いだ。

 誰かが必死で努力を重ねる姿を人は応援し、その努力が報われていく光景には大きな感動を覚える。

 やっとの思いで辿り着いた1勝目。初のお立ち台では「チェンチェン大丈夫です!」というおなじみのセリフに続いて、「ロッテは最高です!ファンの皆様の大きな応援(が力になった)ですね。ありがとうございました!」と感謝の言葉を口にしたチェン。それに応えるようにスタンドから聞こえてきたのは、「マリーンズに来てくれてありがとう」という声だった。

【了】

長谷川美帆●文 text by Miho Hasegawa

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