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【小島啓民の目】交流戦も首位を快走 指導的要素から見るソフトバンクの強さとは

ソフトバンクの強さを生み出す内川、松田のリーダーシップとは

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それぞれのリーダーシップを発揮する内川聖一(左)と松田宣浩,(右)【写真:編集部】

 このチームリーダーたる人間は、ソフトバンクホークスで最も育っている感じがします。内川、松田のプレーを見ていると手抜きがありませんよね。それだけ、いつも責任と使命感を持ってプレーをしているからでしょう。その姿を見て、他の選手がやらなければと奮い立っていることも間違いないでしょう。特に松田は、若い頃からの「ハッスルが代名詞」というプレースタイルが全く変わっていません。このスタイルを何年も継続していくことは、体力的ということよりも年齢的な面で難しいものです。

 よく「先頭で馬鹿がやれる選手なんですよ、彼は!」と称賛の言葉を浴びる選手がいますが、松田はその典型でしょう。しかし、ベテランになると照れ臭さも出始め、その行動も出来なくなってくるものです。チームリーダーとしての使命で続けていると思います。逆に、内川は精神力で引っ張るリーダーシップの松田とは違い、チーム優先の自己犠牲でのリーダーシップを発揮しています。
 
 ランナーを置いた際の打撃の姿勢は特出しており、「ランナーを前に進めようという気持ち」、更には「最低限の仕事はしようという姿勢」がよくうかがえます。主力になると、どちらかというと自分の成績を重視しがちになるのですが、本当に献身的にチームの勝利に貢献しようとするプレーぶりは好感が持てます。WBCなど色々な大舞台を経験したことで、本人の野球感が大きく変わってきたのではないかと思います。

 内川、松田の後を継ぐのが、柳田、今宮あたりでしょうか? 2人ともまだ自分のことで精一杯という感じはあります。しかし、少しづつですが、野球以外でも存在感が見え始めてきたように映りますね。この辺りが、今のソフトバンクの本当の強さではないかと考えます。

 プロ野球は個人プレーとよく言われます。ある意味、そういうところもあるのでしょうが、所詮、チームスポーツであり、そこには必ずチームを勝利に導く者の推進力が必要となってきます。強いチームには、強力なリーダーシップを発揮する選手がおり、強いチームを継続するためには、そのリーダーシップの継承が不可欠。さらに、リーダーは自己犠牲の精神が旺盛であるということではないでしょうか。

 広い視野で10年以上先を見る球団の人員配置、強力なリーダーシップを持つ選手の影響力……。今後のソフトバンクホークスに注目です。

【了】

小島啓民●文 text by Hirotami Kojima

小島啓民 プロフィール

kojima
1964年3月3日生まれ。長崎県出身。長崎県立諫早高で三塁手として甲子園に出場。早大に進学し、社会人野球の名門・三菱重工長崎でプレー。1991年、都市対抗野球では4番打者として準優勝に貢献し、久慈賞受賞、社会人野球ベストナインに。1992年バルセロナ五輪に出場し、銅メダルを獲得。1995年~2000年まで三菱重工長崎で監督。1999年の都市対抗野球では準優勝。日本代表チームのコーチも歴任。2000年から1年間、JOC在外研修員としてサンディエゴパドレス1Aコーチとして、コーチングを学ぶ。2010年広州アジア大会では監督で銅メダル、2013年東アジア大会では金メダル。侍ジャパンの台湾遠征時もバルセロナ五輪でチームメートだった小久保監督をヘッドコーチとして支えた。2014年韓国で開催されたアジア大会でも2大会連続で銅メダル。プロ・アマ混成の第1回21Uワールドカップでも侍ジャパンのヘッドコーチで準優勝。公式ブログ「BASEBALL PLUS(http://baseballplus.blogspot.jp/)」も野球関係者の間では人気となっている。

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